Today

2018年12月12日 水曜日

  • 旧暦 11月6日

箆柄暦『二月の沖縄』2012


箆柄暦『二月の沖縄』
2012年1月31日発行/106号

《Piratsuka Special》
きいやま商店

《Piratsuka Topics》
沖縄フォーク村40周年大同窓会“ありがとう 元気ですか”
『下地勇10周年ベスト・アルバム”静”+”動”』
沖縄国際アジア音楽祭イベント概要
プロ野球キャンプ&オープン戦日程
伊江島観光大使に女優の武藤美幸が就任
『GO! GO! 琉神マブヤーショー TOKYO SPECIAL』
南ぬ風人まーちゃん『光をください』
宮沢和史+ディアマンテス+シンカヌチャー「シンカヌチャー」
natchy『Forteen』

 

 
Piratsuka Special
きいやま商店
石垣島から全国へ、歌と笑いを届けます!

 黒いネクタイに黒ハット、黒半ズボンで足下は色違いの島ぞうり。三線とギターをかき鳴らし、島の言葉でキャッチーなロックやポップソングを聴かせたかと思えば、曲間には芸人顔負けのギャグ連発でコントを繰り広げ、会場を爆笑の渦に巻き込んでいく。アルバムの帯には、発売当初から「沖縄で今一番売れているCD」と無茶なキャッチコピーを打つも、最近ではそれが現実になる日も近いんじゃ?と思わせる勢いで、県内外に続々とファンを増やしている石垣島出身三十代男子三人組。それが噂のエンタメユニット“きいやま商店”だ。

 メンバーの名は崎枝亮作(リョーサ)、崎枝大樹(大ちゃん)、崎枝将人(マスト)。一見してわかるとおり全員血縁関係、具体的にいえば兄弟従兄弟ユニットである。もともとはリョーサが福岡、大ちゃんとマストが東京で、それぞれバンド活動をしていたのだが、二〇〇八年にリョーサが“崎枝家の長男”の責を果たすべく、石垣へ帰ることを決意。「帰島前の思い出に、三人で一度ライブをやりたい」と二人に持ちかけたのがそもそもの始まりだったと、リーダー格のリョーサは振り返る。

「はじめはホントに“これが最初で最後”のつもりだったんです。だからユニット名も“俺らのばあちゃんが営んでた店の名前でいいんじゃない?”って、テキトーに決めて(笑)。でも東京で一度ライブをやったら、次々と“ウチでもやって”って声をかけられて、そのうちCDリリースも決まって、気づいたら解散できなくなってました(笑)」

 その後しばらく東京を拠点に活動を続けた彼らだが、昨年には全員で石垣島にUターン。帰島後は「故郷の魅力を全国に伝えたい」と新たな目標を掲げ、沖縄本島を皮切りに、県内外でドシドシとライブをやり始めた。そのステージはトークの面白さもさることながら、音楽面でも聴きごたえは十分。特にブルースやR&Bの匂い漂うサウンドと、島言葉の歌詞を絶妙に組み合わせる、そのセンスが出色なのだ。

 マストは「石垣ではバンドを始めると、まず先輩から3コード(注:ブルースで使われるコード進行)を教え込まれますから」と笑った後、「東京でバンドをやってた頃は“沖縄”に頼らず、自分の音楽で勝負するんだ!って強がってました。でも、きいやまでは、素直に島の言葉や三線を使って曲が作れる。去年は石垣市観光協会から“石垣島宣伝部長”にも任命されたし、いつかはきいやまアレンジの民謡アルバムも出したいです」と語った。

 そんな彼らのライブ、当然ながら行く先々で評判となり、今や満員御礼の日も珍しくないほどの人気ぶりだ。大ちゃんは「今年はまだライブしたことのない場所にもどんどん行きます!」と宣言し、「目指すはドリフターズ、そして夢は紅白歌合戦出場!」と壮大な目標をブチ挙げた。だが、その夢を本気で応援したくなるパワーと魅力が、三人のパフォーマンスには確かに溢れている。まだ未見の方は、ぜひ一度ライブに足を運ぶべし。ホント、楽しいから。
(取材・文/高橋久未子、撮影:喜瀬守昭)

 
きいやま商店(きいやましょうてん) 石垣島出身の崎枝亮作(八重山モンキーvo/写真左)・崎枝将人(ノーズウォーターズvo/写真右)の兄弟と、二人の従兄弟である崎枝大樹(BEE!BANG!BOO!vo/写真中央)が2008年に結成したエンタメユニット。2010年に1stアルバム『さよならの夏』、2011年に2ndアルバム『沖縄ロックンロール』をリリース。

◆きいやま商店『沖縄ロックンロール』
アレックスエンタテインメント AECD-0020
2,000円 2011/9/28発売
沖縄ロックンロール/バーピーポン/土曜日のそば/いつものように/えんどうの花/頑張れ!スミオおじぃ/暁/I know/じんがねーらん/きいやま商店のテーマ