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箆柄暦『五月の沖縄』2018 堀内加奈子

2018.05.04
  • インタビュー
箆柄暦『五月の沖縄』2018 堀内加奈子

《Piratsuka Special》
堀内加奈子『肝美らさ』
〜沖縄民謡を世界中の人々に届けたい。〜

沖縄民謡の歌い手として20年近いキャリアを持ち、那覇を拠点に沖縄県内外で、時には海外でもライブ活動を行っている堀内加奈子。もともとの生まれは北海道だが、就職して東京で働く中で沖縄民謡と出合い、その魅力に惹かれて沖縄に移住した。22歳から民謡界の大御所・大城美佐子に師事し、師の営む民謡酒場「島思い」で修行を積みながらプロの道へ。時には「内地出身の自分に民謡の〝味〟が出せるのか」と悩んだりしつつも、天性の朗らかさの中に艶やかな色香がにじむ美声と、師匠から学んだ情感豊かな歌い回し、そして明るくオープンな人柄で人気と評価を高め、今では多くのファンや音楽仲間から「かーなー」の愛称で親しまれる存在となっている。

その彼女がこの春、2枚組の新作アルバム『肝美らさ(ちむぢゅらさ)』をリリースした。きっかけは昨年夏、40歳で結婚し、子どもを授かったことだ。「子育てで忙しくなる前に、自分がこれまでやってきた音楽を形に残しておきたい」と考えたという。
「私はジャンルを問わず、いろんな方といろんな音楽をやるのが好きなんです。だから沖縄でも県外でも海外でも、たくさんのアーティストの方達と共演してきたんですが、この機会にそれを録音してCDにしたいなと。もちろん唄者としては、三線一本で民謡を歌うのも大事だと思いますが、そっちを作品にするのはもう少し先でもいいかな、と(笑)」

彼女のその思いに応えて集まったのは、沖縄民謡をはじめジャズ、ブルース、ロック、ラテン、アフリカ音楽、江戸音曲、クラブ音楽など、まさに多種多様な音楽ジャンルで活躍する実力派アーティスト達。曲目も沖縄民謡を中心に、琉球歌劇の一節や沖縄の古謡、彼女や共演者のオリジナル曲など、多彩な19曲が収録され、どれもライブ感たっぷりの演奏が楽しめる。ジャンルも国境も軽々と飛び越える彼女ならではの、ボーダーレスでユニーク、かつ聴きごたえ十分のアルバムだ。

中でも特に今、堀内が力を入れているのが「沖縄民謡とクラブ音楽とのコラボ」だ。彼女は現在、沖縄を拠点に活動するDJユニット「Churashima Navigator」に唄三線で参加しているが、「沖縄民謡はクラブ音楽と組み合わせることで、より世界中に広まっていくはず」と、強い手応えを感じているという。
「沖縄民謡はワールドミュージックとして、世界に通用する音楽だと思ってるけど、今以上にもっと海外の人にも聞いてもらうには、クラブ音楽とコラボするのがいいんじゃないかと思ったんです。クラブ音楽は短いフレーズの繰り返しで人を踊らせるけど、沖縄の音楽もカチャーシーだったり琉球舞踊の伴奏だったり、ほぼダンスミュージックですよね。私はクラブ音楽を通じて、沖縄の民謡を知らない人にも民謡を届けて、世界中の人に踊ってもらいたい。そして将来的には、私にしか作れないオリジナルの新唄(みーうた:新しい民謡)を作って歌って、たくさんの人に聞いてもらえたらいいなと思っています」

そんな堀内加奈子の産休復帰後初となる沖縄での舞台は、5月1日(火)に桜坂劇場で開かれる「ぴらつか音楽祭・ナハ編」だ。当日は師匠の大城美佐子と共にステージに立ち、本格民謡をたっぷりと披露する。結婚・出産を経て、より味わいを深めた彼女の歌を、ぜひライブで楽しんでいただければと思う。
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)

撮影協力:壺屋ガーデンハウス TEL:098-863-7691

堀内加奈子(ほりうち・かなこ)

1977年北海道江差生まれ、函館育ち。1999年に沖縄に移住し、翌年から大城美佐子に師事。2011年に師匠との共演アルバム『歌ぬ縁』(リスペクトレコード)をリリース。

堀内加奈子『肝美らさ』

BIG MOUTH RECORDS BM-007 2,500円(税別) 2018/3/3発売
To be born/Amazing Grase/美ら福木の林から/おしゃれなツル子/Memories Melodies〜あの島あの春〜/大津絵両国/ヒヤミカチ節/国頭サバクイ/ヌディアシバナ/花想い/恋ぬ花/夫婦船/嘉手久ぬ縁/涙の那覇港/屋嘉節/だんじゅかりゆし/二見情話/三月姉/納めの唄

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箆柄暦『五月の沖縄』2018
2018年5月1日発行/181号

箆柄暦創刊15周年記念「ぴらつか音楽祭ナハ編・コザ編
ムジークフェストなら2018 命のお祝いフェスト
琉球新報本社ビル落成記念公演「大琉球浪漫」
琉球フェスティバル2018
かでかるさとし「沖縄 魚まつり&野菜まつり」
信藤三雄presents『MOI AUSSI BE FREE SCHOOL』第3回

箆柄暦『五月の沖縄』2018
2018年5月1日発行/181号
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箆柄暦創刊15周年記念「ぴらつか音楽祭ナハ編・コザ編
ムジークフェストなら2018 命のお祝いフェスト
琉球新報本社ビル落成記念公演「大琉球浪漫」
琉球フェスティバル2018
かでかるさとし「沖縄 魚まつり&野菜まつり」
信藤三雄presents『MOI AUSSI BE FREE SCHOOL』第3回

《Piratsuka Special》堀内加奈子『肝美らさ』〜沖縄民謡を世界中の人々に届けたい。〜

沖縄民謡の歌い手として20年近いキャリアを持ち、那覇を拠点に沖縄県内外で、時には海外でもライブ活動を行っている堀内加奈子。もともとの生まれは北海道だが、就職して東京で働く中で沖縄民謡と出合い、その魅力に惹かれて沖縄に移住した。22歳から民謡界の大御所・大城美佐子に師事し、師の営む民謡酒場「島思い」で修行を積みながらプロの道へ。時には「内地出身の自分に民謡の〝味〟が出せるのか」と悩んだりしつつも、天性の朗らかさの中に艶やかな色香がにじむ美声と、師匠から学んだ情感豊かな歌い回し、そして明るくオープンな人柄で人気と評価を高め、今では多くのファンや音楽仲間から「かーなー」の愛称で親しまれる存在となっている。

その彼女がこの春、2枚組の新作アルバム『肝美らさ(ちむぢゅらさ)』をリリースした。きっかけは昨年夏、40歳で結婚し、子どもを授かったことだ。「子育てで忙しくなる前に、自分がこれまでやってきた音楽を形に残しておきたい」と考えたという。
「私はジャンルを問わず、いろんな方といろんな音楽をやるのが好きなんです。だから沖縄でも県外でも海外でも、たくさんのアーティストの方達と共演してきたんですが、この機会にそれを録音してCDにしたいなと。もちろん唄者としては、三線一本で民謡を歌うのも大事だと思いますが、そっちを作品にするのはもう少し先でもいいかな、と(笑)」

彼女のその思いに応えて集まったのは、沖縄民謡をはじめジャズ、ブルース、ロック、ラテン、アフリカ音楽、江戸音曲、クラブ音楽など、まさに多種多様な音楽ジャンルで活躍する実力派アーティスト達。曲目も沖縄民謡を中心に、琉球歌劇の一節や沖縄の古謡、彼女や共演者のオリジナル曲など、多彩な19曲が収録され、どれもライブ感たっぷりの演奏が楽しめる。ジャンルも国境も軽々と飛び越える彼女ならではの、ボーダーレスでユニーク、かつ聴きごたえ十分のアルバムだ。

中でも特に今、堀内が力を入れているのが「沖縄民謡とクラブ音楽とのコラボ」だ。彼女は現在、沖縄を拠点に活動するDJユニット「Churashima Navigator」に唄三線で参加しているが、「沖縄民謡はクラブ音楽と組み合わせることで、より世界中に広まっていくはず」と、強い手応えを感じているという。
「沖縄民謡はワールドミュージックとして、世界に通用する音楽だと思ってるけど、今以上にもっと海外の人にも聞いてもらうには、クラブ音楽とコラボするのがいいんじゃないかと思ったんです。クラブ音楽は短いフレーズの繰り返しで人を踊らせるけど、沖縄の音楽もカチャーシーだったり琉球舞踊の伴奏だったり、ほぼダンスミュージックですよね。私はクラブ音楽を通じて、沖縄の民謡を知らない人にも民謡を届けて、世界中の人に踊ってもらいたい。そして将来的には、私にしか作れないオリジナルの新唄(みーうた:新しい民謡)を作って歌って、たくさんの人に聞いてもらえたらいいなと思っています」

そんな堀内加奈子の産休復帰後初となる沖縄での舞台は、5月1日(火)に桜坂劇場で開かれる「ぴらつか音楽祭・ナハ編」だ。当日は師匠の大城美佐子と共にステージに立ち、本格民謡をたっぷりと披露する。結婚・出産を経て、より味わいを深めた彼女の歌を、ぜひライブで楽しんでいただければと思う。
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)

撮影協力:壺屋ガーデンハウス TEL:098-863-7691

堀内加奈子(ほりうち・かなこ)
1977年北海道江差生まれ、函館育ち。1999年に沖縄に移住し、翌年から大城美佐子に師事。2011年に師匠との共演アルバム『歌ぬ縁』(リスペクトレコード)をリリース。

堀内加奈子『肝美らさ』
BIG MOUTH RECORDS BM-007 2,500円(税別) 2018/3/3発売
To be born/Amazing Grase/美ら福木の林から/おしゃれなツル子/Memories Melodies〜あの島あの春〜/大津絵両国/ヒヤミカチ節/国頭サバクイ/ヌディアシバナ/花想い/恋ぬ花/夫婦船/嘉手久ぬ縁/涙の那覇港/屋嘉節/だんじゅかりゆし/二見情話/三月姉/納めの唄

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