箆柄暦『六月の沖縄』2017


箆柄暦『六月の沖縄』2017
2017年6月1日発行/170号

りんけんバンド秋の東京コンサート
細野晴臣・久保田麻琴トークショー「Road to Okinawa」
新良幸人presents一合瓶ライブ那覇・久米島
島嶼音樂季H.O.T. ISLANDS MUSIC FESTIVAL
『かぎやで風』
BEGIN『ビギンのマルシャ ショーラ2』
ムジーク・プラッツ2017 OKINAWA × NARA
[早耳]栗コーダーカルテット with ビューティフルハミングバード

 

 

 

《Piratsuka Special》
むぎ(猫)
ONEニャンLIVE〜天国かもしれない〜

歌って踊って演奏する天国帰りの猫、現る。

 3年前の夏、沖縄の音楽シーンにちょっとユニークなアーティストが現れた。その名は「むぎ(猫)」。

 名前の通り(そしてご覧の通り)、猫である。猫なのだが、オリジナル曲を作ってステージに立ち、歌って踊っておしゃべりして、さらには華麗なバチさばきで木琴を演奏したりもする、人間顔負けのエンターテイナーなのだ。しかもこのむぎ(猫)、なんと〝天国帰り〟。8年前にいったん永眠したものの、3年前に〝カイヌシのゆうさくちゃん〟から手作りの新しいカラダを与えられ、この世に舞い戻ってきた。

 〝ゆうさくちゃん〟こと米須雄作は、マルチーズロック、きいやま商店など沖縄の人気バンドのドラマーとしても活躍してきたパーカッショニスト。彼は「20代をまるまる一緒に過ごした飼い猫のむぎ」に深い思い入れがあり、ひょんな経緯で〝カラダの作り方〟を習得したことから、むぎの復活を思い立った。

 甦った当初、むぎ(猫)は国際通りでのんびり散歩などを楽しんでいたが、たまたま猫関連のイベントに招かれた際、「せっかくだから何か僕にできることをやってみよう」と考え、ライブに挑戦したという。
「曲を作ってイベントで歌ったり踊ったり、音楽に合わせて絵を描いたりしたら、観た人がとっても面白がってくれて。僕自身もすごく楽しかったし、もっと人間の皆さんに喜んでもらいたい!と思って、本格的に音楽活動を始めたんだ」

 そのむぎ(猫)のライブの面白さは、猫ならではの独特の世界観と、猫とは思えないほどハイクオリティな音楽性が、ステージ上で見事に融合しているところにある。猫の視点で書かれた歌詞は、少年のような無邪気さとそれゆえのシニカルさを併せ持ち、丁寧に作り込まれたサウンドはカイヌシの音楽的嗜好も反映してか、ポップスにロック、ラテンにヒップホップに音頭と幅広い。その曲を等身大のモフモフな〝猫〟が歌い踊り、時には小道具や楽器も駆使しつつ、軽妙な台詞回しで曲間をつないでいくのである。観る人を惹きつけずにはおかないそのスタイルを、むぎ(猫)は「僕のライブはコンサートじゃなくてショーだから」と、嬉しそうに語る。

 「だって、僕がこの姿でただ立って歌ってるだけじゃ、あんまり面白くないでしょ(笑)。ミュージカルみたいに劇と音楽を組み合わせたステージにすれば、お客さんも飽きずに見られるし、年齢関係なく誰にでも楽しんでもらえると思ったんだ。むぎ(猫)のショーは大人向けでも子ども向けでもない、人間はもちろん動物も楽しめる〝みんな向け〟のショーだからね!」

 そんなスーパーキャット・むぎ(猫)のパフォーマンスをたっぷり堪能できる初ワンマンライブが、今月6月24日に那覇の桜坂劇場で開催される。当日は生バンドとの共演や撮り下ろし映像の上映など、この日だけの特別企画も予定しており、とにかく盛りだくさんの内容になるとのこと。そして会場では初のフルアルバム『天国かもしれない』も販売される。今後は県内外でさらなる活躍が期待されるむぎ(猫)。この機会をぜひぜひお見逃しなく!
(取材・編集部/文・高橋久未子)

 

むぎ(猫)
1997年7月生まれ。東京で音楽大学に通っていた沖縄出身のゆうさくちゃん(米須雄作)と出会い、同居を始める。2002年、ゆうさくちゃんの帰沖と共に沖縄に移り住み、2009年1月に永眠。5年間の天国暮らしの後、2014年3月にこの世に舞い戻り、音楽活動を始めた。現在、県内外で精力的にライブ活動を展開中。
公式サイトは[こちら]

◆むぎ(猫)ONEニャンLIVE〜天国かもしれない〜
2017/6/24(土)
桜坂劇場ホールA(那覇)098-860-9555
開場14:30/開演15:00
一般2500円/小中学生1500円(当日各500円増)
未就学児膝上無料 ※各1ドリンク別途