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箆柄暦『三月の沖縄』2017 THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)

2017.02.28
  • インタビュー
箆柄暦『三月の沖縄』2017 THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)


箆柄暦『三月の沖縄』2017
2017年3月1日発行/167号

5月に東京で2夜連続の沖縄音楽ライブ
「Music from Okinawa Night」東京で2夜連続沖縄音楽ライブ
横浜鶴見おきなわ物産センター「大まーさん祭」
島ぜんぶでおーきな祭プレイベント上映会 in 鶴見
きいやま商店『離れてても家族』
大工哲弘『八重山歌謡全集』
やちむん『刺激茄子の世界』
大城バネサ『沖縄のかほり』
松田一利あまくまツアー2017

[早耳]
新良幸人presents 第27回 一合瓶ライブ
第9回 コザ・てるりん祭

 

 

 

 

《Piratsuka Special》
THE SAKISHIMA meeting(新良幸人×下地イサム)

先島から世界へ、新しい扉を開く。

 石垣島出身の唄者で、沖縄音楽と洋楽を融合した人気バンド「パーシャクラブ」のボーカルとしても活躍する新良幸人(三線&歌)と、宮古島に生まれ育ち、宮古方言の歌詞をロックやジャズなど多彩なジャンルの音楽にのせて歌うシンガーソングライター、下地イサム(ギター&歌)。共に先島(宮古・八重山諸島)出身の二人により、2004年に結成された「SAKISHIMA meeting」が、このたび「THE SAKISHIMA meeting」とプチ改名し、セカンドアルバム『THE SILENCE OF SAKISHIMA』をリリースする。

 4年前に出した第1作『THE BEST』は、既発曲も含めたベスト盤的な1枚だったが、今回はほぼすべてが新曲。曲作りはイサムがメロディを書き、二人でテーマを考え、幸人が方言詞をつけるという流れだったそうだが、今作は「自分達にとって新しい扉を開けた作品になった」と、二人は語る。

イサム:「僕のほうは、サウンドに土着的な要素を取り入れられたことが大きいですね。去年と一昨年、アフリカのミュージシャンと共演する機会があったんですが、彼らは自分達の土着的なリズムやメロディを堂々と沖縄に持ち込んで演奏してて、ものすごく感銘を受けたんです。もちろん僕らも、常に先島を意識して曲作りやライブをしてきたけど、もっと土臭い、沖縄本島でも内地でもない、先島独自の神唄みたいな要素を楽曲に取り入れてもいいんじゃないかと、そう思ったんです」

幸人:「俺も歌詞を書くとき、これまでは先島のことを考えつつ、本島の風景もちらっと見えてたりしたんだけど、今回は宮古と八重山のこと以外、まったく頭になかったね。でもイサムの作る曲には難儀したよ(笑)。コレ三線でどうやって弾けっての!?みたいな、超早弾きとか持ってくるんだから」

イサム:「でもアニキ(=幸人)が実際に弾くと、僕が想像してたのより何倍もかっこよくなる。これなら外国にも堂々と持っていける、そう思える作品ができたと思います」

幸人:「もともと俺らは海外でもどこでも、呼ばれたら自信を持って行って演奏してきたけど、今回は呼ばれる前にこっちからドアをノックしたというか。今後は日本のロックフェスにもどんどん出て、沖縄の音楽を知らない人に聴いてもらいたいね」

 二人がそう自負する新作は、島の繁栄を神に祈り感謝する歌、島の豊かな自然や文化を讃える歌など、先島の魅力をストレートに謳う曲が並ぶ一方で、都市化が進む島の姿を憂える歌、ままならぬ愛に涙するラブソングなど、心をざわつかせる曲もあり、単なる故郷賛歌にとどまらない、奥深い世界観を感じさせる。何より歌詞もリズムもメロディも歌声も、エスニックな土臭さをたっぷりと含んでいながら、バンド仕立ての音はあくまでスタイリッシュでハイクオリティ、ジャンルも国境も軽々と超えて聴く人を引き込んでゆく。「オリジナリティ」とはこういう作品にこそ使う言葉なのだと、改めて実感した。

 ところで改名の理由は、「THE」がないとユニット名であることがわかりにくく、「ライブのとき(音楽ではなく)何かの会議があるのかな?と思われちゃうから」だそう。これもまた、彼らがより広い世界に漕ぎ出すための準備なのかもしれない。まずは今月下旬からのツアー「THE開き(座びらき)」で、新たな扉を開けた二人の音楽をぜひ体感してほしい。
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)

衣装・撮影協力:プラザハウス
http://plazahouse.net/
取材協力:RYCOM ANTHROPOLOGY
https://www.facebook.com/RycomAnthropology/

 

●THE SAKISHIMA meeting
新良幸人(あら・ゆきと、写真左)
1967年、石垣島白保生まれ。11歳から八重山民謡を父親に師事。民謡中心のソロ活動のほか、パーシャクラブのボーカルとしても活躍中。
下地イサム(しもじ・いさむ、写真右)
1969年、宮古島久松生まれ。30歳から宮古方言を使って音楽活動を始め、2002年に「我達(ばんた)が生まり島」でCDデビュー。

THE SAKISHIMA meeting
『THE SILENCE OF SAKISHIMA』

アライズ ARIZ-2017 2,500円(税込)2017/3/8発売
ザ・サキシマユニゾン/ユーニンガイ/アイランドラッシュ/カンピライ(神降臨)/島風/旗波/シディガフー/臥待月/松原ユンタ/The World of EN/百夜

Live Information 

◆THE SAKISHIMA meeting tour2017『“THE”BIRAKI』
3/23(木)宮古島・JANG JANG
3/26(日)石垣島・すけあくろ
4/17(月)大阪・umeda AKASO
4/18(火)名古屋・オキナワAサインバーKOZA
4/19(水)名古屋・オキナワAサインバーKOZA 追加公演
4/21(金)横浜・サムズアップ
5/23(火)岡山・あたらし屋
5/24(水)広島・OTIS!
5/26(金)熊本・フェリシア
5/27(土)福岡・LIV LABO
7/01 (土)那覇・桜坂劇場ホールA
※詳細はhttp://yukito.arize.jp/参照

◆スペシャルライブ
“SAKISHIMA party LIVE & TALK”

会場:プラザハウス 3F
   RYCOM ANTHROPOLOGY 098-933-1142
日時:4/8(土)開演19:00
料金:前売 3,000円 当日3,500円
   1ドリンク・ミニおつまみ付