箆柄暦『十一月の沖縄』2016

pira1611_hyo250箆柄暦『十一月の沖縄』2016
2016年11月1日発行/163号

2016年を締めくくるライブが続々決定!
長編ドキュメンタリー映画『健さん』
マルチーズロック『ワルシャワの夜』
比屋定篤子『昨日と違う今日〜比屋定篤子ベスト&レア』
宮里千里『琉球弧の祭祀−久高島 イザイホー』
ナーグシクヨシミツ『不屈の琉球』
平安隆『悠』

 

 

 

 

《Piratsuka Special》
沖縄芸能マグネットコンテンツ舞台公演
Ship of the Ryukyu『ボトルメール』

この冬、那覇で多彩な琉球芸能に親しもう!

 組踊、琉球舞踊、琉球古典音楽といった琉球王朝時代の宮廷芸能から、各地域に伝わる奉納舞踊やエイサーなどの民俗芸能、さらにはそれらを元に生み出された創作芸能まで、沖縄には今も多彩な芸能文化が息づき、多くの人々に親しまれている。その魅力を県外や海外からの観光客にも広く体感してもらおうと、沖縄県主催で行われているプロジェクトが、沖縄芸能マグネットコンテンツ舞台公演「Ship of the Ryukyu」だ。

 〝マグネットコンテンツ〟とは、磁石のように人を惹きつける力を持った作品のこと。「琉球が誇る芸能文化を船に乗せ、世界中に奔らせよう」を合い言葉に、沖縄の芸能を核としたオリジナル舞台作品を毎年公募し、選定作品を上演してきた。今年度は五作品が選ばれ、11月末から来年2月にかけて、那覇市内でそれぞれ5日間7公演ずつ上演される。作品はどれも沖縄の芸能や文化をふんだんに盛り込み、華やかなステージングで魅せる一方、それらに初めて触れる人も無理なく楽しめるよう、舞台背景などを説明するナレーションや解説、現代風の演出や音楽なども取り入れ、わかりやすさと面白さ、エンタメ性と芸術性を両立させているのが特徴だ。今回2作品で脚本・演出を担当する富田めぐみは、「先人が生み出した宝物である伝統芸能が、大切に継承されてきた沖縄ならではの舞台にしたい」との思いで創作に取り組んできたという。

「沖縄の伝統芸能は、歌も踊りもお芝居もそのままでチャーミングだし、とても美しくて面白いと思うんです。今回の作品では、伝統芸能が初体験の方でも楽しめるような工夫をしていますが、芸能そのものは無理にアレンジしたりせず、できるだけピュアな形でお届けしたいなと。立方(踊り手)も地謡(歌い手)も、幼い頃から芸能を学んだり、地元のお祭りに参加してきた実力派ばかりなので、初めて見る方にも芸能ファンにも、きっと〝ホンモノ〟ならではの満足感を味わっていただけると思います」

 その富田が手がけたのは、琉球王朝時代の宮廷内や庶民の暮らしを歌と踊りで紹介する『ボトルメール』と、琉球王国時代の首里城を舞台に、ドタバタコメディ劇の中で本格的な琉球芸能が次々と繰り広られる『五月九月(ぐんぐゎちくんぐゎち)』の2作品。それに続き、沖縄ポップスにのせて勇壮な創作エイサーや獅子舞が披露される『REQUIOS・王朝伝』、愛し合う男女の人生を沖縄の風習や芸能を通して描く沖縄版ミュージカル『沖縄燦燦』、沖縄本島南部の八重瀬町に伝わるさまざまな民俗芸能を集めた『YAESE芸能〜結〜』も上演される。

 どれも気軽に鑑賞できるよう、上演時間は約1時間とコンパクトだ。富田は「県外や海外の方はもちろん、沖縄在住だけど普段あまり芸能とは縁がなくて…という方にも、ぜひ足を運んでもらえたら」と語る。「沖縄の芸能も映画やライブのように、もっと気軽に楽しめるものになったらいいなと。そしてこれを機会に〝次はもっと本格的な芸能も見てみたい〟って思っていただけたら、とっても嬉しいですね」
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)

 

富田めぐみ脚本・演出作品『ボトルメール』キャスト
(左上から時計回りに):玉城盛義/松田香織/玉城匠/呉屋かなめ/上原崇弘

沖縄芸能マグネットコンテンツ舞台公演
「Ship of the Ryukyu」
 
◎『ボトルメール』11/29(火)〜12/4(日)※12/1(木)休演
◎『五月九月(ぐんぐゎちくんぐゎち)』12/6(火)〜12/11(日)※12/8(木)休演
◎『EISA-SPIRIT REQUIOS・王朝伝』1/25(水)〜1/29(日)
◎『沖縄燦燦』1/31(火)〜2/5(日)※2/2(木)休演
◎『YAESE芸能〜結〜』2/7(火)〜2/12(日)※2/9(木)休演
会場:てんぶす那覇テンブスホール/パレット市民劇場(REQUIOS・王朝伝のみ)
料金:一般2,500円 高校生以下2,000円 未就学児膝上無料
問合:沖縄県文化振興会 098-987-0926
※開演時間等の詳細は公式サイト参照
http://www.magnetcontents.net/