箆柄暦『三月の沖縄』2016

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箆柄暦『三月の沖縄』2016
2016年3月1日発行/155号

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《Piratsuka Special》
コザ・ てるりん祭
照屋林助

てるりん世代から次世代へ、沖縄の唄心をつなぐ。

 「コザ・てるりん祭」は、毎年四月に沖縄市内の商店街「中央パークアベニュー」で行われている、島唄の無料野外イベントである。「コザ」はかつての沖縄市の名称、「てるりん」はそのコザを拠点に活躍したマルチエンターテイナー、照屋林助の愛称だ。

 てるりんは戦後の沖縄芸能界を代表する大スターにして、現在の沖縄ポップスシーンにも大きな影響を与えた人物である。昭和4年4月4日、琉球古典音楽の大家・照屋林山の息子として生まれた彼は、長じて大衆芸能に興味を持ち、「沖縄のチャップリン」と呼ばれた小那覇舞天に師事する。沖縄戦終結後、戦争で家族を亡くした人々の家を師弟で訪ね歩き、「生き残った者がいつまでも悲しんでいては亡くなった者も浮かばれない。命ぬ御祝さびら(=生き残ったお祝いをしましょう)」と呼びかけて、唄や芸で人々を元気づけたのは有名なエピソードだ。

 昭和30年代には自身が中心となり、音楽漫談楽団「ワタブーショー」を結成。三線や沖縄芝居など沖縄の伝統芸能をベースに、洋楽のエッセンスも盛り込んだ爆笑ステージを展開し、沖縄全土を回って圧倒的な人気を得た。以降も漫談ライブのほか、映画・テレビへの出演、島唄の作詞作曲、民謡レーベルの設立、沖縄芸能の学術的研究など、あらゆる活動に尽力。2005年3月10日に75歳で亡くなるまで、沖縄芸能の魅力をひたすらに追求し、それをポップなスタイルで県内外に伝え続けた、まさに沖縄芸能界のリーダー的存在であった。

 「コザ・てるりん祭」は、そんな林助を筆頭に、戦後の沖縄芸能の土台を築き、その発展に貢献しつつ世を去った先輩方(知名定繁・嘉手苅林昌・小浜守栄・登川誠仁・前川守康ら)の功績を讃えようと、林助の次男である三線職人の照屋林次郎らが中心となり、2009年から始めた島唄の無料イベントだ。当日は沖縄中の名だたる唄者が、かつて林助の実家「照屋三線店」があった中央パークアベニューに駆けつけ、先輩方を追善し、それぞれの唄三線を披露する。

 第8回となる今年は、4月17日(日)の開催が決定。先輩世代から直接教えを受けた大城美佐子、知名定男らのベテラン勢から、よなは徹、ティンク ティンクなど孫世代の若手まで、民謡協会の会派や年齢の垣根を越え、20組以上の豪華唄者がコザに集う。さらに今回は林助の長男、照屋林賢が率いる沖縄ポップスバンド「りんけんバンド」も参加し、会場を華やかに盛り上げる予定だ。

 実行委員長の林次郎は言う。「時代が移っても、沖縄の芸能が途絶えることはないよ」。そう、この「コザ・てるりん祭」は、林助らが後輩に託した唄のこころざしが、次世代にもしっかりと受け継がれていることを、ライブを通じて確かに感じとれる一日でもあるのだ。ぜひ会場に足を運び、偉大な先輩方を偲ぶとともに、現役世代の唄者達による素晴らしいステージを、じっくりと堪能していただきたいと思う。
(文・高橋久未子/撮影&写真提供・大城弘明)

 

◆第8回 コザ・てるりん祭
http://terurinsai.com/
会場:沖縄市中央パークアベニュー
日時:2016/4/17(日)開演13:00(雨天決行)
料金:無料
問合:コザ・てるりん祭実行委員会 t090-6861-3434
出演:大城美佐子/知名定男/りんけんバンド/神谷幸一/我如古より子/前川守賢/饒辺愛子/仲本興次/玉栄政昭/とぅるるんてん/西泊喜則/よなは徹/知念こずえ/ティンク ティンク/我那覇せいら/園田青年会 他(決定次第随時発表)

◆コザ・てるりん祭 プレイベント
 ※照屋林助生誕日 
会場:沖縄市まちなかセンター公民館
日時:2016/4/4(月)開演19:00
料金:無料
出演:よなは徹/新良幸人(予定) 他(予定)