箆柄暦『六月の沖縄』2015

1506_hyo250箆柄暦『六月の沖縄』2015
2015年6月1日発行/146号

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我如古より子・大城クラウディア 関西&関東ツアー
台湾と沖縄を音楽でつなぐ「島嶼音楽季」開催
片山恵理『yElly’s!』
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うとぅいむち(おもてなし)うちなー感動プログラム

 

 

 

 

《Piratsuka Special》
仲宗根充
仲宗根長一 追悼 仲宗根充独演会

亡き父に捧げる、八重山と沖縄の美ら唄。

 石垣島の白保地区で、唄三線の名手・仲宗根長一の長男として生まれ育ち、自身も唄の道に進んで四十余年、今年還暦を迎えた仲宗根充。父の長一は沖縄県指定無形文化財八重山古典民謡保持者であり、名曲「うりずんの詩」の作詞作曲でも知られる民謡界の巨星である。充は十七歳から本格的に父に師事、二十代以降は「トゥバラーマ大会」などさまざまな民謡コンテストで入賞を果たす一方、沖縄芝居や琉球舞踊の地謡を務め、八重山以外に沖縄の民謡と琉球古典音楽も習得してきた。一九九三年以降は父と共に、那覇・石垣で計四回の「父子リサイタル」を開催。現在は那覇を拠点に〝島唄が聞ける観光タクシー〟の運転手をしながら、沖縄県外でも定期的に唄会を開くなど、精力的に演奏活動に取り組んでいる。

 実は今年、充は自身の還暦記念公演を計画しており、父にもゲストで出演してもらうつもりだったという。しかし残念ながら昨年五月、父の長一は八十九歳で逝去。充は「還暦記念」を「追悼」と改め、七月から十月にかけて、那覇・石垣・大阪・東京の四会場で単独公演を行うことを決めた。父から学んだ八重山民謡はもちろん、沖縄本島の民謡なども含めて二十曲以上を一人で歌いきる〝独演会〟。ほとんどの曲に舞踊をつけ、「耳だけでなく目でも楽しめる内容にする」と、充は意気込みを語る。

 「僕は長年芝居や舞踊の地謡をやってきたから、一人で二、三時間歌いっぱなしでもぜんぜん平気さ(笑)。でも、もっと年取ったら(そんなに長時間は)できないだろうし、今のうちに独演会をやりたいなと。だから今回は、あくまでも唄が主役。だけどそこに踊りもつけるのは、来てくれたお客さんに、最後まで飽きずに楽しんでもらいたいから。〝次は何が出てくるんだろう〟ってワクワクする舞台を作るのが、僕のモットーだからね」

 とはいえ、途中には転換の時間も必要なため、その間は父・長一の生前の演奏から、八重山民謡を代表する名曲『野トゥバラーマ』の映像を上映する。八十歳を迎えてなお「唄を学ぶのに終わりはない」と語った長一は、充にとってもっとも身近な存在であり、また、今も尊敬する師匠でもある。
 「親父が素晴らしかったのは、決してうまく歌おうとはしなかったところ。普通はつい自分にないものを出そうとして、唄を飾りがちだけど、親父は常に自然体で歌っていて、そこがすごかった。とにかく唄が好きで、常に三味線を傍らに置いていたね。だから若い頃は、ぴらつか(八重山方言で「唄三線に夢中で働かない人」の意)って呼ばれてたそうだよ(笑)」

 なお、今回は追悼公演ということで、通常は旧盆月にならないと演奏されない「にんぶちゃー(無蔵念仏節)」も披露する予定だ。還暦となり、艶と深みを兼ね備えた美ら声を、華やかな舞踊とともに楽しめる本公演は、どこをとっても聞きどころ満載、見ごたえ十分の充実した舞台となるだろう。八重山民謡ファンも沖縄民謡ファンも、ぜひ会場に足を運び、円熟の唄三線を堪能してもらえればと思う。
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)
 

仲宗根充(なかそねつとむ)
1955年、石垣島白保生まれ。17歳から父・仲宗根長一に師事し、八重山民謡を学ぶ。代表曲に「親子鷲の鳥」「ふるさとの優蝶」等。八重山古典音楽安室流保存会師範、琉球民謡協会師範。
 

◆仲宗根長一 追悼 仲宗根充独演会

那覇公演
日時:2015/7/19(日)18:00開演
会場:那覇市民会館大ホール 
料金:前売2,500円 当日3,000円

石垣公演
日時:2015/9/19(土)18:30開演
会場:石垣市民会館大ホール  
料金:前売2,500円 当日3,000円

大阪公演
日時:2015/10/4(日)15:00開演
会場:大正区民ホール 
料金:前売3,000円 当日3,500円

東京公演
日時:2015/10/24(土)15:00開演
会場:品川きゅりあん 
料金:前売3,000円/当日3,500円

公演事務局(仲宗根) 
TEL: 098-834-0491/090-3077-2095

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