マルフクレコード トリビュートライブ in 奈良

普久原メロディーが結ぶ、関西と沖縄。
マルフクレコード トリビュートライブ in 奈良

(箆柄暦『六月の沖縄』2014 Piratsuka Special2より)

 沖縄音楽の大型野外フェス「歌い継がれる沖縄のウタ」がいよいよ迫ってきた。6月21・22日、奈良公園内特設ステージに沖縄の人気アーティストが集結。民謡からポップス、ブルース、ジャズ、ラテンまで、それぞれの「沖縄のウタ」を聞かせてくれる。

 じつはこのフェスには、もう一つテーマがある。それは関西発祥の沖縄音楽専門レーベル「マルフクレコード」へのトリビュートだ。普久原朝喜、普久原恒勇という二代の偉大な音楽家兼プロデューサーが作り育てたこのレーベルがなければ、「ウタの島」と呼ばれる今日の沖縄音楽の隆盛はなく、多くの島唄が消えていたと思う。

普久原朝喜と妻・鉄子と2歳の恒勇 (大阪の自宅にて、昭和9年)

普久原朝喜と妻・鉄子と2歳の恒勇
(大阪の自宅にて、昭和9年)

 マルフクレコードは1927年、大阪に出稼ぎに来ていた普久原朝喜によって設立された。彼は沖縄の古典音楽、歌劇、民謡などをレコード化。自転車に積み、関西在住の沖縄県人に売り歩いた。その音は故郷を離れて暮らす島人の「耳薬(みみぐすい)」となり、人々は朝喜のことを「チコンキーフクバル(蓄音機普久原)」と呼んだ。また彼は「新民謡」として、「移民小唄」「無情の唄」「通い船」など多くのオリジナル曲も作った。特に沖縄戦で焦土と化した島を想った「懐かしき故郷」には、当時の関西の沖縄人がみんな涙したという。そんな朝喜の功績は、「近代沖縄民謡の祖」と称えられる。

三絃を弾く朝喜と恒勇(昭和50年頃)

三絃を弾く朝喜と恒勇(昭和50年頃)

 その後を継いだのが、大阪で生まれ、青春時代を過ごした養子の恒勇。彼はマルフクを沖縄に移し、喜納昌永、嘉手苅林昌といった実力者と組んでヒット曲を連発。フォーシスターズや知名定男ら若手を育てた。そして作曲家としては、「琉球の国歌」ともいわれる「芭蕉布」をはじめ、「ゆうなの花」「豊年音頭」「島々清しゃ」など、今や沖縄スタンダードといえる名曲の数々を生んだ。恒勇はいわば、「沖縄ポップスの父」である。

pira1406_マルフクレコード 今回の「歌い継がれる沖縄のウタ」では、そんなマルフクレコードに収録された民謡や、普久原父子のメロディーを、出演者たちが曲目に盛り込む。沖縄に地縁血縁のある人はもちろん、そうでない人にも懐かしい想いを抱かせるステージとなることだろう。
(文・カフェユニゾン代表 三枝克之)

 

◆ムジークフェストなら2014
 特別企画『歌い継がれる沖縄のウタ』先島編/本島編

会場:奈良公園春日野園地
日時:2014/6/21(土)先島編
   2014/6/22(日)本島編
   開演13:00〜終了:19:00
料金:入場無料
問合:ムジークフェストなら実行委員会事務局
   TEL 0742-27-8478
出演:
6/21(土)先島編
新良幸人with サンデー/きいやま商店/SAKISHIMA meeting/下地勇/大工哲弘/夏川りみ/BLACK WAX 司会:川満聡(両日とも)
6/22(日)本島編
内田勘太郎/うないぐみ(古謝美佐子・宮里奈美子・比屋根幸乃・島袋恵美子)/DIAMANTES/比屋定篤子/フォーシスターズ 司会:川満聡(両日とも)