箆柄暦『十二月の沖縄』

pira1312_hyo250箆柄暦『十二月の沖縄』2013
2013年11月30日発行/128号

《Piratsuka Special》
パーシャクラブ
『kana gana』

《Piratsuka Topics》
「リウボウ・カルチャー・コンプレックス2013」
立川志ぃさー改名記念公演『うちなー妄想見聞録』
池田卓『Sail〜帆〜』
元・Okinawa Jazz Guild復活ライブ
『琉球ホラー オキナワノコワイハナシ3・4』
ぴらつかるてっと『めんどくさいからやめた』
サンサナークリスマスライブツアー2013

 

 

 

Piratsuka Special
パーシャクラブ
『kana gana』

結成二十年、これからも一緒に音楽を楽しもうぜ!

 芸事の盛んな石垣島白保に生まれ、八重山民謡の歌い手として活躍していた新良幸人と、那覇で洋楽と沖縄民謡に触れながら育ち、主にCM音楽などを手がけていた人気作曲家の上地正昭。異なる才覚を持つ二人が那覇で出会い、意気投合して結成したバンド「パーシャクラブ」が、今年でついに結成二十周年を迎え、先月待望のニューアルバム『kana gana』をリリースした。

 琉球旋律にウチナーグチをのせたオリジナル曲を、ロックやジャズなど洋楽のバンドサウンドで大胆にアレンジし、それを幸人の艶やかな歌三弦と組み合わせるという彼ら独自のスタイルは、今作でももちろん健在。そのうえで今回は、さらに斬新なリズムや構成の楽曲も取り入れ、従来作とはまたひと味違った、よりエキサイティングなパーシャサウンドを確立した。幸人自身も「このアルバムが今までで一番好きかも。自分でも何度も聞いてる」と打ち明けるが、他のメンバーもみな「演奏しててすごく楽しかった」と語っており、そんな全員の思い入れもまた、作品の完成度を高めたことは間違いないようだ。

 その〝楽しさ〟の所以を、全曲を手がけたリーダーの上地に尋ねると、笑いながら「だって、それが今回のテーマだから」と教えてくれた。

「このアルバムは〝音楽って楽しいね、これからもずっとこのバンドで音楽やっていこうね〟ってのがテーマ。目標は、沖縄民謡界の大先輩だった嘉手苅林昌さん(故人)。たとえば八曲目の『風ぬままに…』では、〝風の吹くまま白雲のように、この時代を共に生きていこう〟って歌ってるけど、それは〝(民謡の『白雲節』が十八番だった)林昌さんのように、僕らもずっと音楽を続けていこうね〟って意味だわけ。あとタイトル曲の『かながな』も、表面上は女の子に向けたラブソングのように見えて、実は音楽への思いを込めた歌なんだよね。」

「ま、結成当初はまさか二十年も続くとは思ってなかったけど(笑)、ここまでこれたのは、幸人をはじめ全員の実力がすごかったのと、あとは…あんまり一生懸命やり過ぎなかったからじゃない?(笑) 林昌さんもそうだけど、民謡の人って(音楽活動に対する)テンションは高くない代わり、一生ずっと歌い続けるさ。僕らも今後の抱負なんて特にないし(笑)、音楽を続けるって大変なことも多いけど、でもやっぱり音楽は楽しいし、やめられないんだよね。この先もみんな生きてる限り、このバンドでだらだらやっていけたらいいな、と。」

 そんな思いを託した新作を引っさげ、去る九月に敢行した二十周年記念ツアーの本土編は、全員が「めっちゃ楽しかった!」と口を揃える大盛況のなか無事終了し、いよいよ年末の沖縄公演を残すのみとなっている。当日はもちろん、新作からの曲もお披露目される予定だ。幸人曰く「歌詞を間違わないようにがんばるので(笑)、ぜひ新譜を聞いてから来てね!」とのこと。

 沖縄音楽ファンならば、このライブに行かずして二〇一三年は終わるまい。CDともども必聴!と断言したい。
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)

 

パーシャクラブ 1993年に那覇で結成、翌年1stCD『新良幸人パーシャクラブ』を発売。メンバーは前列右から時計回りに上地正昭(g)、新良幸人(vo)、津波古慈乃(dr)、神村英世(b)、サンデー(per/島太鼓)。

◆パーシャクラブ『kana gana』
オフィスパーシャ OPMC-0013
2,940円 2013/11/16発売
インプレスト TEL:098-863-6660
七月エイサー/生まり南ぬ島/愛さ愛さ/かながな/夏ぬバンジ/北風ぬ浜/サガリバナ/風ぬままに…/CHIJUYA/ティンジャーラ/ウタアチネー

◆パーシャクラブ2013 ラストライブ
 『年末も頑張る事が必要みたい!』

日時:2013/12/29(日)開場20:00 開演21:00
会場:MOD’S(北谷) TEL:098-936-5708
料金:前売3,500円 当日4,500円 ドリンク代500円込